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連載小説『爛熟』第二章13~24

  『爛熟』第二章 風友仁
『a mature 』/爛熟<RANJYUKU>・part2 an author;Tomohito Kaze
 
  13
 霙(みぞれ)が雹(ひょう)になり牡丹雪に変化(へんげ)するかのような神の悪戯が余りに過ぎた、冬の夜、詩人は懐手にした猫背のままでずっとうずくまっていたいほどの寒さの折り、ひとりの少女の 訪問を受けた。
 「いや、何、いま帰って来たばっかりなものだから・・・」
 父の病室から帰宅して間もなかった為、まだ室内には暖色の気配が漂ってはいなかった。詩人は急いで石油ファンヒ-ターのスイッチを押した。こういう訪問を詩人は、まま受けた。滅多にあることではないが、詩人の愛好者だと称する老若男女がこの土地に降りて来る。「私の詩を読んでほしい」という投稿者まがいの封書を送りつけてくる人間もいるが、実際に彼と会話を交わしてみたいと思考して尋ねて来る愛好者は、何がしかの憂いを秘めており、詩人も気持ちを無造作には投げ出せない。
 以前、「あなたの詩を読んで、死にたくなりました。」と真顔で余程の真摯な想いを、ひとりの同性から突きつけられて、どぎまぎしたことがあり、心持ち、恐さを感じるのが愛好者の類い、だ。
 この少女は長い髪を有していたが、薄手の淡い眼鏡をかけており、可憐な陰影を携えてはいなかった。
 電車でやって来た、と告げ、冬休みを利用して「生まれてから一番、膨(ふく)らんだ、夢にまで見た」詩人の彼に「一度でいいから逢いたかった」などと殊勝なことを、「漸く両親の許しをもらえたものですから」と、育ちの良い、けれどどこか含みの有る言葉を繋ぎ、それゆえにそのどこか伏目がちで暗い印象とはよほどかけ離れたかのような澄んだ声音が詩人の琴線を殊更に刺激、した。
 普段の、自身の声音よりも一オクタ-ブ、総じて高そうな喋り方、そうして言葉を発する時には必ずと言ってよいほど視線を上げ、じっとこちらを見据えてくる、そのときの眼差し。悪い感じでは無い。(けれど意思は強そうな娘、だな)と詩人は執着、した。
 「もう少しで暖かく、なる。何か、コーヒーでも飲むかい?」
 詩人は、寒そうに身体を小刻みに震わせながらも、幾分、かしこまった風の少女にそう言うと、つと立ち上がってキッチンへと歩んで行った。その後ろ背に、「大きなうちなんですねえ」という少女の感嘆まじりの呟きが。「いや、古いだけの家だがね」と苦笑を返してあげようか。薬缶に水を入れ、コンロに火を点けると、詩人は元居たソファーに腰掛けて、改めて少女と向き合ってみた。
 眼鏡越しだが、綺麗な目をしている。くっきりと縁取られたその二重瞼に若さが感じられて、彼は多少、向かい合うことに気押されを抱いた。
 「あの・・・先生は詩が好きですか?」
 唐突に、少女がそんな質問をきりだすものだから、詩人は更に気押され、た。
 「うん?・・・そうだね?・・・」
 どう、言うべきだろう。どうして、この少女はそんな問いをこの僕に投げかけてきたのだろう。彼は少しばかり思案して、少女の方を向き、どちらかと言えば自身に言い聞かせるかのようなゆっくりとした口調で、こう語り始めた。
 「詩は、勿論、好きさ。特に、詩を織る、という行為が好きでね。たとえば、日常、やっぱり人間をこう、長いことやってるとね、厭なことや、うん、まぁ、屈託の無い人生なんてないからね、そういう気持ちをあからさまに詩に書く、というか詩に託すということは無いのだけれど、そんな気持ちを自分なりの言葉と照らしながらって言うのかな、言葉を創造しながら、交じらわせながら、詩を織る、詩を編む、という行為は好き、だね。」

  14
 「詩を編む、という行為・・・?」
 少女は反復、した。
 「うん。何がしか生み出そうとする、行為。ほら、詩という空間はよく宇宙に喩えられる、だろ?精神世界の宇宙。この心の中の精神という宇宙をこれでもか、これでもか、これでもかって掘り下げてみていくと、自分なりに見つかる言葉がある。そういった言葉を、ひとつずつひとつずつあやすように書き込んでゆく。そういう行為が、僕は好きではあるのだけれど・・・」
 「そうすると、評論とかは、また別の行為、とかになっちゃうんですか?」
 詩人は耳をそばだてる。少女が詩人の言葉を瞬時に咀嚼、したからだ。
 「そう、だね。評論はまた詩とは違う世界の代物、だね。評論というのはひとを刺す、という言い方をする場合があって、どちらかと言えば他者的、第三者的な発想が必要になってくる。詩を織る、という行為はそれとは明らかに違う。もっと内包的なものさ。」
 少女は想いだすかのような顔をして、
 「・・・先生が『文聖時評』に書かれていることって詩を織るっていう行為とは、またほど遠いっていう、行為なんですか?」
 「・・・うん、全くほど遠いね(笑)。・・・けど、君は『文聖時評』に僕が書いているものも読んでくれているんだ?」
 『文聖時評』とは、いわば季刊誌のようなもので、同人誌風の呈を成す同胞の者達が小さな出版社から出版している小雑誌で、こんな思春期の女性が手にするような類いのものでは無いはずなのだが。
 少女は一際、声を高める。「はい、読んでます。けど、困るのは私の町の本屋さんって東京のくせに置いてなくて、わざわざ毎月発売日には、私、新宿まで買いにいくんですよ。」
 (毎号、予約でもすれば良いのに。)少女の微笑ましさに、そんな下卑た問い返しは、この際、隅に置いてしまおう、と詩人。 
 少女が、更に何かを言おうと想いを巡らしたとき、熱した薬缶の音がけたたましく響きだした。
 そうと察して、少女「 ・・・先生」
 「ああ、いけない」
 やおら、立ち上がった彼はソワァーの角に足を絡めて転びそうに、なる。後ろ手に髪を掻く詩人。「僕は案外、いつもこう、なんだ。」その嬌態にくすっと、笑う少女。だがすぐさま見てはいけなかったものを見てしまったかのように顔を竦(すく)め、じっと笑いを堪える。
 詩人は、コーヒ-メジャーへと湯を注ぐ。
 ぽたぽたと搾り落ちてくる水滴。
 この家の外では、さらさらと白雪が舞い散る。
 交錯する、ふたつの音色。
 ・・・・・・奏でている。いや、何かが奏で始めようとしているのか?。

  15
 「砂糖はいくつ入れる?」
 「えっ?・・・あっ・・・ふたつ入れてください」
 目の前に運ばれたカップに漂う湯気を見つめながら、少女はさもこの世でいまだ見せたことのないかのような満面の微笑(えみ)を湛えつつ、一口、飲み干す。
 「あの・・・これ」
 少女が傍らに置いて居た鞄の中から取り出したものは、大判の詩篇が綴られている商用の雑誌であった。この辺りは少女も皆がそう、であるように作者の前でそのような所作を起こしたかったとでも言えようか。
 「先生は、この雑誌に毎回・・・詩を一篇、載せられてますよね。私、この雑誌も毎月、買って読んでるんです。」
 有難う、と詩人は目線に気持ちを湛えると、少女から受け取って、中をぱらぱらと繰った。
 「・・・最近は暗いものばかりだね。ちょっと厭になる。」
 自身の作に溜息を吹きかけてみたくなる、これは性!?
 「もっと若い時分の頃のようなものが、本当は書きたいんだけれどね。鬱、というか自分のものはやっぱり読みたいとは想わないな。」
 それは、余りにも正直過ぎる、或いは物書きの言い訳に過ぎぬ、ものなのだろうか。
 どさっと遠くの方から、積もった白雪だろうか、何かが落ちる音がした。見合わせるふたり。時間が刻々とふたりを置き去りにする。
 柱時計が鳴った。音色は最早、その時計の音、だけである。
 「帰りは何時の電車、だったのかな?」
 「・・・・・・」
 少女は、答えない。初めて詩人の前で言葉を噤(つぐ)んでしまった。「寒いし・・・僕が駅まで送って行こう。」
 何がしかの想いを飲み込むように頷く、少女。
 「・・・お願いします。」
 かけたオーバーに身を包み込むように自家用車へと乗り込む、ふたり。白雪はさらさらと舞い落ちるのでは無く、深閑とその肌を射るのだ。車中、「今日は本当に、私なんかに・・・いろいろとほんとに有難うございました。」しおらしげに下を向いたままで。
 「いやいや、こちらこそ、何もお構いも出来なくて」
 「あの・・・先生。」
 「ん?・・・」少女を見返す詩人。
 「あの・・・今度は春休みにお邪魔してもいいですか?」
 「うん、いいよ。またご両親の了解をもらって来なさい。」
 「判りました」と小さく。「春休みに、だから、きっときっとまた来ますから、それまで先生、・・・・・・元気でいてください。」
 その少女の言葉の真意を少し計りかねながらも、彼は「・・・うん、元気でいるよ」
 駅舎は夕闇の只中にあった。寒村の町の駅舎だけに、ひとっこひとり居やしない。ホームへと続く路だけがぼんやりと灯篭まがいの電燈で浮かび上がっている。影と影が折り重なる。詩人は掲げた傘をもう半歩分、少女の方に近づけた。少女はそう、と知らずか、ただゆっくりとできるだけゆっくりと歩んでみたかった。構内に面した切符売り場に誰も居ないものだから詩人は声を、覗き込みながらかけた。駅員は来た。詩人を見咎めてああ、という顔をして丁寧にお辞儀をした。「東京まで。・・・あっ、いえ、東京の新宿まで」駅員は「ちょっと待ってておくれな・・・」と呟きながらガイドを繰った。体裁を整えると、駅員は少女にキップを渡しながら「ああ、ちょうど良かったわあ。その一番ホームにもうじき来るさかい。あっ、キップは切っといた」と仔細に指し示した。そうして乗り換えの駅を口頭で告げると、また詩人を一瞥して、頭を下げた。
 電車は程なくして駅舎へと滑り込んだ。少女もまた深くお辞儀をしたが、駅員のそれとは違い、やさしみの込められているかのような悲しみに耐えているかのような、綯交ぜ(ないまぜ)の色に染められた、それではあった。少女は振り返った。
 「あの・・・先生、また本当に春休みに来ますから・・・そのときまできっとお元気で。」
 あまりの笑顔、であった。
 詩人は、再び同じ言葉を発せられて苦笑したが、その言葉に込められた少女の想いの底に漸く気づいて、ひとりごちた。
 「・・・ああ、有難う。元気でいるよ。」
 少女の陰影を残したまま、駅舎のホームでしばしひとり佇みながら電車の去った方角を見つめていた詩人は、もう一度、その言葉を口の裡(うち)で反芻、した。
  ・・・・・・そのときまできっとお元気で。
 少し暖かいものが体内に蘇ってくるようで、あった。
 詩人は、震えていた。

  16
 父は、看護師の急を受け、その病室へと駆けつけた時、明らかな死人の相を呈していた。仰向け、であった。看護師が主治医の傍らで、その胸に懸命、両の手を押し当て、自然呼吸を促している。
 看護師はあらぬ叫び声を、あげる。「ほら、ほら、息子さんが来やはったよぉ」だが、父は蘇らない。固く、瞼は閉じられたままだ。僕は思わず、額に固く結んだ手を当てて祈らざるをえなかった。ああ、主よ。嗚呼嗚呼、神よ。
 主治医は、こう言った。
 「・・・はっきりと申し上げます。もう、蘇生は無理かもしれません。ご親族の方にご連絡を。」「・・・判りました。」
 僕は、そうとしか言えなかった。また別の看護師が現れた。その看護師は僕の古くからの知り合いで、その場に佇んできっと息を飲んで父の容態を見守っていたであろう、この僕を頷きながら促した。僕はお願いしますと呟くと、下の階へ階段を駆けた。公衆用の受話器を掲げ、内ポケットからアドレス帳を取り出すと、まず姉のダイヤル番号を回した。いいや、もうそのときのことなんて覚えちゃいないさ。姉は出ない。十八で東京へ行き、一度は一緒に異郷の街で暮らしていたこともある、姉。だが、姉は一度目は出なかったと想う。その旦那さんにダイヤルしようか。再び姉にかけた。留守電を入れ忘れた筈だ。今度は、姉の声を聞いた。「何、あんただったの。洗濯物を干していたものだから」姉は安穏と、まるでさも当たり前の日常風景のひとコマをきり返してきた。僕は、速やかに用件を述べた、無論、そんな筈も無く、幾度も姉に問い返されるかのようなうわすべりの言葉を発していた筈だ。姉は「判った。一番早い飛行機で来るわ」と僕を勇気づけると、受話器を置いた。
 母の危篤の際も、そう、だった。まるで現実のことでないかのような、感覚がこの時も己の心根に覆い被さってきた。普段から、詩の世界で物語を編んでばかりいるものだから、実際にこの自身に起こる出来事が、まるで現実感を伴わないのだ。怖ろしかった。そういう自身の感情の気配が、そういう想いに囚われた自身の起伏の間隙が、その隙をついて忍び込んでくる悪魔の囁きが、この身を挫きどん底に堕(お)としいれようとするかのようで全く怖ろしかった。僕は真摯にほんに想いを込めて、主に祈らねば、父がこの世のひとで無くなる。そんな逼迫感に襲われて仕方なかった。無垢に神仏に縋るより、ほかに何があろう、ことか。何物も恨むまい。何物も呪うまい。何物も辱(さげづ)むまい。何も考えない。何も語るまい。ただ願うは父の延命、のみ。何ごとも綴るまい。僕は欲しいものを得られずに、「ママ、ママ、わーん、あれ、買ってよお」とまごつく、ダダを捏(こ)ねる乳飲み子を優しくあやそうと図る、女性のようなたおやかさを用いて、僕を、そう、あやそうと努めたのだ。哀れ?、躍起になった。穢れてしまったこの僕を、あの時、大迎、いや本気で僕は、引きずり起そうと躍起になった筈さ。「さあ、哂うがいいよ、それが僕というものの本性、だ。」・・・そう、なら、どんなにか良いのだけれど。
 
  17
 物書きと睡眠薬の関係は、阿片に群がる売人のそれに似てけっして隔絶されない関係に在る。詩人は、一命こそ取り留めたが、自室でひとり、父のその瞬間(とき)に怯え、考えるまいと想っても、なかば心は落ち着けず、また常用の睡眠薬を飲んだ。姉は努めて明るい声で、「優ちゃん、ご飯、食べないと身体に毒よ 。」と慰みの言葉を被せた。  「死ぬものか」あの父が。ただ根拠の無い、自答(じとう)。さめざめしき問いかけ。いまここにこうしていてもいつ病院からの看護師の連絡が入る、ことか。人口呼吸器の規則的な韻律音。それに反応せぬ父の息使い。血圧計に付された脈拍線。ピピッ、ピピッ。一定の電子音が、詩人の眠りを妨げる。ふたりの子持ちである姉は、まるでその子を見つめているかのように目を細めて、到底、横たえていても寝てはいないであろう、暗い弟の自室のドアを、そっと閉めた。
 このような時、彼の詩文、その空間は粉々になった。自身を追い込み詩を編む行為と現実に振り回されほっと溜息をつく瞬間(とき)に発露した言葉は、また違うものだったから。少なくとも、彼は現実にしっかと屹立していられるほどの強靭な精神は持ち合わせていなかった。つまり、今だこの詩人は餓鬼、だということか?、
 寒空を見上げ、かけたマフラーに首を埋めてブルブルと震えながらも星降る空の、その名をひとつづつ確かめていく、暗唱するかのような少年の幼い感情のように、彼の精神もまたいまだに、何物かに支配されていた。
 詩人はやつれ、倒れてしまった。姉が帰郷していた為にすぐさま、救急車で病院へと運ばれた。それがなんの救い?、彼が祈りを捧げ、もし、もしも父が持ちこたえるならば、この身を我が身をその御霊に預けても良い、などとあらぬ殊勝な心持ちを詩人が抱いた、それはその夜の出来事であった。

  18
 妖しく光る切先。鋭利な刃物がそう、と感じられたのは頭上から照射するランプの灯りが消えかかっていたせい、だけではないのだろう。その刃物を手にしていた者が、動揺を抑えきれずに微かに震えていたから。「さあ、どうした?、怖気づいたか?」下卑(げび)た哂(わら)いにその声はよく、映える。続けて女の金切り声。「止めて!!。ここは舞台じゃないのよ!!。」舞台じゃない?舞台じゃない?・・・・・。そのふたりの科白が覆い被さるかのようにリフレインになって、白狐(びゃっこ)する。全ては、いまや己の意思、ひとつ。(僕は・・・僕は・・・僕を刺すのだ。)
 水を打ったかのような静けさの最中、観衆は舞台上の、ひとりのうら若き青年のそれからを凝視、している。舞台?舞台?舞台???。
 いや、明らかにその青年はあの詩人の相、だ。まだ横顔に幼さの残る、だが見紛(まが)うことはない、あの詩人、美咲優治、だ。優治が二十三・四五の頃、だろうか。何故、彼が舞台のステージに?、・・・・・・舞台?
 いつの間にか暗転し、そこはどこか茂みのある森の中?、いや違う違う、違う。ある一室の黴(かび)臭い側壁を背にする居所。それにしても怪しむべきは、何故、優治はその片方の手にナイフ、刃物を握っているのだろう。それもその切先は優治自身に向けられているのだ。
 優治はどういう、心持ちなのであろうか。「あの時、固く握り締めたサバイバルナイフの柄がまるでゴム毬(まり)のそれに似て、あまりにも柔らか過ぎるものだから、ひどく可笑(おか)しくてねえ」そんなことを、たとえよしんば後でさえ言える技量の奴でないことくらい・・・。
 下卑た哂いと金切り声が騒乱の音楽と共に、突然、止んだかと想った瞬間、優治はそのナイフを自身の腹に向かって突き刺した。以外、ではなく、突き刺さった際の音よりも、突き刺そうと動かした優治の上着の袖がその、太股に触れ合った摩擦音の方をより大きく響かせた。
 一瞬、間を置いて激痛が走った。「うぐぐぐぐぅウググググゥ」
 あはは、文章として並べてみるとなんと軽い・・・
 痛みが言葉を凌駕、していた。ひとつがふたつに見える。ははは、可笑しいよ可笑しいよ。起とうとした。それでも起とうとした。だが足が縺(もつ)れてくず折れた。金切り声の女が、血相を変えて、優治のその両肩を懸命に抱き抱(かか)えようとした。「なんでなんでなんでこんなこと?」
 ・・・なんで、なんでって?。決まってるじゃないか、己の為さ。無論、また立ち上がろうとして地面に突っ伏した優治にそんな覚醒の想い、など無い。

  19
 現世と夢の狭間。隔絶している感はあった。あったが、愕然とその残像をしばし病室の、ベッドの上で弄(まさぐ)るように追いながら、僕はまたあの情景を夢に見たのだなと腑に落ちた。びっしょりと汗で背中が濡れており、五体がこうも重いのは何故だろう。魘(うな)されたのか。父の病院では無い、ようだ。僕はどこに居るのか。眼前にかけられたカーテン越しに、どんよりと翳った雲が行きつ戻りつ、している。雲が割れている?、まだ、眩暈があった。顔を動かす度に、ぐらぐらと視界が揺れた。・・・・父さん。そうだ、と僕がいま、父の置かれている事態に想いが至ったとき、見知らぬ看護師が、その部屋に入ってきた。「意識が戻られはったみたいね」覗き込んで、その看護師はにやっと笑った。「いましがた、お姉さんから電話もらったんやけど、お父さんの方は一命を取り留めはったみたいで、心配はいらんさかいって」弟が、意識が戻ったら伝えておいてほしいとの遣り取りを、その看護師は手早く告げた。僕はまだ軽い眩暈の最中にあって、事情をよく飲み込んではいないと感じてか、看護師は再び、同じ意味の言葉を今度はあやすように繰り返してきた。「・・・判りました。すみません。」
 とは、いってもやはり気にかかる。姉に連絡を取りたい。だが、動こうとして五指に力を預けた時、長い点滴の管の先がその左腕に差し込まれていることに、その時漸く気づいて一瞬、僕は飛び上がった。・・・・・・なんてざまだ、僕は倒れたのか。ふらふらと意識が定まらぬから、僕は僕が僕で無い気がした。点滴台に掲げられた容器の減り具合からもう暫くは動けまい、ということか。僕はそんなことを算段、して自分をしっかと落ち着かせようとした。
 いまこそ、傍(かたわら)に居てやらねばならない僕が、ここに居る。姉は、そこに居る。だがいまの父には僕も必要なのだと感じた。深呼吸してみた(筈だ)。点滴が終わると、僕は看護師を呼んで、「ひとりで歩けるから」とせがみ、看護師詰所の脇の、据付の電話機から、父の病院へとダイヤルを回した。姉は果たして、そこに居た。「もう、親子して私に面倒かけるんだから」と姉は受話器の向こうで笑わせた。その喋り方からもいまだ父が安泰、なのだということが伝わってきて、ほっと息を飲んだ。だが悲しいかな、自身の病室に戻ろうとする最中でも、まだ軽い眩暈が続いており、それが僕に僕の脆弱(ぜいじゃく)さを想わせて一際、あらぬことを畏怖させてしまうのだった。

  20
 姉や叔父達は、今後の「推移を見守ろう」ということで、後事を僕に託して想い想いの場所へと帰っていった。皆、よるべあろうか、けれど確約たる生活が存し、明日、生きる為の手立ての為に帰っていかなければならない。姉は、その最後まで残っていたが、繰言のように「あなたが心配だわ。」などと僕にしきりに言うものだから、「大丈夫だよ。」と僕も散々繰り返して、その矛先をなんとか逃れようとした。先年、あの父が建ててくれた家にまたひとりっきりになった。
 僕も喰う為に書かねばならぬ。『文聖時評』の次々号執筆依頼が、メールで届いていた。僕はワ-ドを開け、此の頃の心境を僕なりの思惟的な感覚で包み詩文を添え、書き込んだ。訂正し、メールにそのファイルを添付して送った。十代の時分、一枚一枚を清書してひどく時間を削がれていた頃を想い起こせば、いまや隔世の感はある。大抵の遣り取りはもはやメールで済ませるし、重要な案件を時に電話で遣り取りするぐらいで、あとは細々、この日常の煩瑣な出来事もメールで終わらせる。文章を普段、編み、そのことを生り合い(なりあい)としている者が、もうほとんど手紙なるものを書かないのだ。人生の哀感を詩文として切りうる者自身が、もはや自身の筆跡を忘れようとしている。
 父は、僕がその手を握り、祈る度ごとでもこの手を握り返してはこなかった。「父さん」「父さん」「父さん」声をかける。時にその目をぎょろっと剥き、何かを言いたそうに身体を小刻みに震わせた。
 「父さん、頑張れ、なぁ、頑張れ、優治だぞ、優治だよ。ここに居るよ。」僕は人の子としてそんなことしか言えぬ。呟けぬ。座り込んでへたり込んで祈らずにはをれなかった。病室の窓辺から望む如月の空は、寒雪の昨夜を一変に払拭させたかのように、瑞々しくも晴れ、澄み渡っていた。僕は父のその手を握り、祈りを捧げたあとそれらを見いだしながら、「なんの事柄も関係して」いないかのような、「なんの拘りも備わって」いないかのような、「なんの望みも砕いてしまう」かのような、そんなただ在る青空が、この心から憎々しく想えた。ただそこには青空が在る、ばかりなのだ。僕の、そうして父の執念の外(ほか)にそれは、在る。

  21
 魔を射る・・・僕は口惜しさでいっぺんにこの血が滾(たぎ)るような想いがした。知人の小説家から告げられて、在る文芸雑誌の批評家同士の対談録を読んだところ、僕の詩文に対する言及がなされており、「此の頃の彼は、なんだか身辺穏やか、じゃあないというか、澱(よど)みがフラフラしていて良いものを編んでないね」というくだりに及んで、のこと。僕は歯がゆさと怒りで、僕の中の「悪魔という名の魔を射抜かれた」想いがして口惜しさで激怒しかけた。かの川端と太宰の論争じゃあ、あるまいし。まだこんなことを言う奴が居るのか。すぐさまこの批評家に抗議してやろうかとも考えたが、詮無いことと自分を努めて努めて諌(いさ)めつつ、この懐で「ええい、処理してしまえ」と断罪、した。
 恒にこの腹中、葛藤はある。故に脆い、のだ。ひとの意見が気にかかる。物書きなんてこの程度の類いに過ぎない。まるで日中、家宅を覗かれているようなものさ。だが、それがこの心を売る作家の宿命ともいうやつなのだろうから、本当は一々、怒(いか)っても仕方無いことなのではあろうけれど・・・、宿業(しゅくぎょう)だ。宿業さ。これからもこの宿業とやんわりゆんわり付き合ってゆかねばならぬのかと想うと、もう、もう、僕はこの生に厭(あ)いてしまう。厭いてくる。
 ネットを開いた。メールを確認した。「駅まで送ってくださって、その節はほんとうに有難うございました。」その長い件名に、おやっと心が弾けてすぐさま本文を紐解いて、ほっと溜息を漏らした。あの少女からのメ-ルであった。あの時、せがまれてアドレスを教えたが、ついぞ初めての少女からの交信であった。僕は、無声の只中に小鳥が小さく囀(さえず)っているかのような慰みをそこに感じてしまい、この己の柔な精神を糾(ただ)す前に、ひとり物思いに耽(ふけ)ってしまった。「もうすぐ春休みです。」そこからの一文が僕の眼前に拡がった時、僕は僕の書いたものなどよりか一層倍温かみのあるそのひとことふたことみことに、文章の襞(ひだ)を見る、想いがして困惑、した。「いや、何、僕なんかより立派に良いものを、・・・」僕は穢(けが)れていた。僕は取り返しのつかない穢れの道程を今日まで繰言と煩瑣な日常という、どこか裸足で出歩くかのような逼迫感に、恒に追われているような感覚の中で生きてきた。そんな少女の文章に少し、この瞼に熱くなるものを湛えてもよいではないかと、僕は僕をまた慰めてみた。それがたとえ間違っている所作だとしても、僕にはいまや顧みる余裕、など微塵(みじん)も無い。

  22
 己は業が深い。詩人は瞬(まばた)きもせず自身に、そう浴びせかけていた。かつて自らの意思で二度ほど死を選んだ。
 詩人の姉は、世に詩人として知られた、その弟への風聞を畏(おそ)れてか、いまだ開封されずじまいではあるが、ある手記を綴っていた。弟が二度目の自死を選んだ直後の出来事で、その手記の存在を弟である詩人は、よもや知るよしもないであろうけれど、これらひとつの事象においても、いかに彼が幼い時分から、その一家に愛されて、いとおしまれて育ってきたことか、
 例証ごとではあるが、あの父もまる五年余り以前のその日、脳内出血で倒れ、のち、初めてその眼前に我が息子の姿を認めた明くる日のこと、再び東京へと一旦帰って行こうとする息子の見送りの為に、「わざわざ、窓辺に立ち寄って片手まで上げ」その労に報いろうとした。
 父は、父はこの僕に強く生きよと、まだ発病して間もない身体を懸命に起してまでも、その意思を示したに相違、無かった。
 灯はこうこうと照っていた。春は遠い。とつとつと前後に揺れながら落ちる細(ほそ)め雪は止んでいた。けれど芯から寒い。息吹を、詩人の眼前で躍らせる、野生の動物達の存在をそこかしこに知るには、まだ季節が織り重ならない。だがどこからか吼えてきたその声音に詩人は、何故か身震いした。ズドンと次に銃声?、そんな馬鹿な?、狩猟期にはまだほど遠いはずだ。幻聴か?。寒村のとある風景は、石油ファンヒーターの赤々と燃える炎によく映(は)えた。その炎の揺曳(ようえい)に意識は深閑とした雪の只中に堕ちゆく。寒い。寒すぎる。この年ほどの大雪(たいせつ)もとんと記憶には無い。
 己の業は深い。どこかで、この業の深さを断ち切らねばならぬ。己は罪が深い。どこかで、この罪の深さを断たねばならぬ。何ゆえに。この生の為に。生き継(つ)いだ生の為に。逃げてばっかりだった。どこか自死することで安堵の境地を弄(まさぐ)れるのだと、自身に甘言(かんげん)を吹き込んできた。きた?、いやいや、僕はつらいのさ、疲れるのさ、守る術なぞ要らぬのだから。そうさ、ここまで独りで生きてきたじゃあないか。(またまた振り出し?)。その答えとは一体、この先の答え、なんて一体、この己に何が見いだせようと言うのか。判らない。判らない。判らず、じまいか。
 詩人が、身じろぎもせず、居間で暖気を前にその記憶を手繰ろうとしていた矢先、けたたましく着信音は鳴り始めた。詩人は、ハッとした。そうしてすぐさま了解、した。その電話の内容が良からぬ父のことであろうと、詩人は慄然(りつぜん)と自身の予感を認めていた。

  23
 父は逝った。その眉間に最早、澱みなど存しない。
 父は死した。その傀儡に最早、主など存しない。
  
 看護師は手慣れている風で、「先ほど、六時二十一分、お父さんは亡くなられました。直ぐ、病院に来てもらえますか。」詩人の心根をすんなりと通過していくかのような、抑揚の無い、整然とした声音。つい一時間程前、彼は父の病室を辞したばかりだったのだが、呼吸器の韻律音のみに支配されていた病室では、その後の事態急変に、そうさほど時間を要しなかったということか。人々が夕御飯を喰らう最中、詩人は再び、自家用車を駆った。シャカシャカと左右に擦(す)れるワイパーの濁音(だくおん)と、それらへと吹き付けてくる白雪の粒が普段よりも大きく感じられた。行き交う車、など無い。
 駐車場に降り立つと、詩人は足早に二階の看護師詰所に寄った。幾人かの看護師が直ぐ彼を見咎めて、「待ち望んでいたかのように」父の病室へと先導、した。詩人の後ろ背で馴染みの看護師の「来られました。」という、父の最期を看取ったらしい医師への投げかけの言葉が聞こえてきた。
 詩人は、部屋へと入った。白布(はくふ)が、その面影を覆っていた。後(あと)から入って来た医師が「穏やかな最後でした。」と静かに呟いた。年長の看護師が、「ほんに、全然苦しまれるようなところも、無かったんよ。ほんに穏やかなもんやった。」と追従の言葉を重ねた。
 詩人は、父の枕辺に歩み寄って、その白布をとった。死化粧に染められているのか、まだ暖かげなその頬が綺麗な肌色を呈していた。一瞬間、詩人の相好が愕然と崩折れたように感じたが・・・。「・・・有難うございました。大変、お世話になりました。」医師らの方を向いて、詩人は深々とお辞儀をした。暗闇にあって、父の息使い、のみが聞き取れない。詩人が父に掛けて置いた、詩人の叔母が編んでくれた、詩人の父の名が付されていた、羽毛布団が部屋の隅にきちんと畳まれて置かれていた。そのことが、何よりもついぞ父がこの世情のひとで無くなったことを暗示しているかのようでいたたまれなかった。死装束(しにしょうぞく)に包まれた父の姿が、静謐(せいひつ)にひとつの魂の終わりを告げていた。詩人は懸命に耐えた。耐えた。それまでの人生。詩人のありとあらゆる我が儘(まま)を、「おまえの生きたいように生きれば良い」というまるで決め台詞でもあるかのように、二言目には発してくれた父。彼の胸中に数々の面影が瞬く間に去来する。
 
 ・・・・・・父さん。

 詩人は、誰憚(はばか)る事も無く、滂沱(ぼうだ)の泪を流した。四十にもなろうかという男が、か?、呆れて言葉も出てきやしない。言葉?、この状況下で言葉なんて要るのかい?。いつも自分に都合のいい言葉しか知らぬ誰かさんッ!!。
 溢れ出る、その滴(しずく)は拭う暇(いとま)も無い程に。

  24
 母の時も、そうであった。父の時も、そうであった。その男は、その最後の時を向かえ、号泣した。両膝ついて泪、した。そういう、弱い男であった。情けない、人間であった。普通ならば、ひとはそういう姿を他者に見咎められたくなく、それこそ人知れず泣く、ものだ。「構うものか」そう、男は想ったかどうか。男には、その時、他者など、存しえなかったとしか言いようが無い。誠、か弱き男であった。そんな男は、ひとに案外、冷たい?非情なところがある?口煩(うるさ)い?傲慢な、実は奴か? 、その泪は拭うには 合間が無い。乾かぬ内にまた、泪は溢れ出た。
 終わりを示唆、していた。何の終わりを。死者に手向けられるべき荘厳の花束群が、そういった意識を男に投げかけてきた。残された者はただひとり。この寒村に男は、ゆえ、ひとり取り残されたのである。
 父のこの世情からの絶句を受け、通夜には続々と慰問の客が訪れ始めていた。男の父は、地方の建立ながら大学の講師まで勤めた文人であり、その晩年は国文学者として中央にもよく知られたひとであったから、悲しみをその頬に湛えた人々の列は、ひっきりなしで男もその応対に追われて心休まる時が無かった。本来ならば、こういう時こそ、ひとりを噛みしめてもいたいものさ、それは偽らざる想いではあったが、父の生前の親交にはなんら非難は向けられない。男は勤めた。儀式は寒村の通例に委ねた。三大新聞にも片隅ながら、父の訃報が載せられていた。「詩人・美咲優治の父」という文面も踊る。在る著名なる文学者が、父への哀悼記事を寄せていた。それらをついぞ、その息子は読む暇(いとま)を無くしてしまうわけだが、ひっそり閑としていた古里がいまや、こうこうと吊り下げられ照らされたランプの灯明かりと、ほんのりと燈る灯篭に浮かびあがったかのようで泰然としてはいられない。市井の者達が父の為に奔走、している。暮れてもまだ庭を払う者。遺族らの為におにぎりをこさえる者。この一帯、部落挙げて死者を弔う。詩人から方々の書類を受け、やれ役場だのやれ火葬場だのやれ新聞社への取次ぎだのやれ葬式に向けての予定だの、人々は男の父の、生前の異業を称え、闊歩する。
 姉は、極めて他人を鼓舞するかのようなけらけらとした笑いと共に、慰問の客をもてなす。ぐったりとして男が奥に引き篭(こ)もると、その姉の快活な声がまたたく間に聞こえてくる。どこか幼き頃から、伏し目がちで想いつめるかのようなところのあった男とは明らかに違う、その姉の語り節。そんな姉の達者な笑いが聞こえてくれば、その弟も奥に引き篭もってばかりもいられない。また応対に姉弟並んで、その双頭を下げる、この繰り返し。奥の間は、父が頑強な頃、姿勢を糾し愛好していた書斎。そこにあらぬことか、その父の息子はソファーベッドを持ち込んでいつの頃からだろうか、眠る癖がついた。周り、四方八方は書物の山、山、山だ。書物特有の匂いと、どこかしか生前の父の匂いが被さる。心根が、しんみりとなる。濡れる。落ち着く。安穏になる。なにがしか愛(いと)おしき匂いだ。それらの醸し出す芳醇な空気が、彼のここちを摩(さす)る。幼い頃からの、男の、そこは言わば聖地、だった。つい惰眠が襲う。一瞬間も置かず、あの姉の、男から鑑みれば嬌態とも呪うべき笑い声が響き渡って来る。その度に男は腰を上げた。父への最後の奉仕、だ。男は物憂(ものう)げな感情をしっかと起して大広間にそそくさと歩んでいった。


 

 
 
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Literature sight-seeing『風、早暁記。』

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introduction

風友仁(かぜともひと)

Author:風友仁(かぜともひと)
 
 沖に出たらば暗いでせう、
 櫂から滴垂る水の音は
 昵懇しいものに聞こえませう、
 ――あなたの言葉の杜切れ間を。

 月は聴き耳立てるでせう、
 すこしは降りても来るでせう、
 われら接唇する時に
 月は頭上にあるでせう。

 あなたはなほも、語るでせう、
 よしないことや拗言や、
 洩らさず私は聴くでせう、
 ――けれど漕ぐ手はやめないで。
   中原中也『湖上』拠り 
*『爛熟』この書を我が畏敬のひとり、中原中也の御霊に捧ぐ。


*an information desk *
皆々様の厚きご支持、心より傷み入ります。有難うございます。

*新たなる風の舞、ここに興つ。*
*謹告*当オンライン小説サイトでは、大変申し訳ございませぬが一切のコメント・トラックバック等は諸事情に拠り、お断りさせてもらっております。どうぞご了承くださいませ。*尚、この小説に関する全ての帰属権並びに著作権は筆者、風友仁にございます。個人で愉しむ以外のコピー、それらを商用の配布等に用いたりする行為は法律で禁じられておりますので是非、お止めくださいませ。現在公開中のものにつきましては、何の予告もなく、加筆、訂正、語彙、言い回しの変更、削除等行われる場合がございますが、それらについての更新情報等は行っておりませんのであらかじめご了承下さいませ。
*今後とも『爛熟』並びに風友仁の綾織る世界観にどうぞご支持、ご声援のほどを、宜しくお願い致します。
 
  2006・1・15 心を込めて。
         風友仁

*連載小説『爛熟』に就きまして*
 この物語は、空想の物語であり、一部事実を基に脚色なされておりますが、登場する人物及び団体の名称等、ある特定の人物及び団体等を示唆、揶揄、誹謗、中傷する類いのものではありません。飽くまでも架空の物語としてお読みくださいませ。またもしや名称、団体名等が同じでも飽くまでも架空の物語でありますのでその点、どうぞお知りおき下さいませ。皆様のご理解の程、何卒宜しくお願い致します。著者・風友仁


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